語学の習得をする上で、単語を増やしていく事はどの言語でも必須でしょう。
けれども、韓国語の勉強の中で単語を覚えていく事は、日本人にとっては比較的簡単なところです。日本語で単語を覚えてきた経験をそのまま、韓国語でも使えるからです。
今回は、日本人が韓国語の単語を覚えるのが簡単な理由、従来の単語の暗記方法とは一味違った「効率的で楽な覚え方」などを紹介いたします!
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なぜ韓国語の単語を覚えるのが簡単なのか?~漢字語 (日本の漢字の熟語)~
韓国語には한자어(hanja-eo 漢字語)という元来は漢字2つの言葉、日本語でいう二字熟語がたくさんあります。この한자어(hanja-eo 漢字語)のほとんどは、日本語と意味が同じで韓国語読みをすればいいだけです。
한자어(hanja-eo 漢字語)例:遅刻-지각-jigak, 早退-조퇴-jotoe, 食事-식사- siksa, 出席-출석-chulseog
日本語では漢字に音読みと訓読みと2つ以上の読み方がありますが、韓国語の場合ほとんどの漢字の読み方はひとつだけになっています。つまりひとつの漢字の読み方を覚えれば、その漢字の使われている他の熟語も読めるようになり、応用がきくのです。
”日“の読み方は、日本語では日曜日(にちようび)、平日(へいじつ)、日本(にほん/にっぽん)と”日“の前後につく字によって読み方が全く違いますが、韓国語では”日“は일- ilと読みます。 일- ilさえ覚えれば他の漢字語の意味も読めるし、意味がわかってきます。
日曜日:일요일 il-yoil
平日:평일 pyeong-il
日本:일본 ilbon
漢字語では読み方が日本語と似ているもの、ほぼ同じものもあります。
✓無料-무료-mulyo
✓準備-준비-junbi
✓約束-약속-yaksok
このように漢字語の意味が同じ、読み方が日本語より少ない、似ている発音があるという理由から、もっと複雑な読み方を日常生活で使っている日本人にとっては単語を覚えることは難しいことではないのです。
楽に韓国語の単語を覚えるこつは?
韓国語の勉強するときに、ポイントなのは“耳で聞く”でしたが、単語を覚える時も同じです。
人の本来もっている“言葉を覚える能力”のスタートが、“耳できく”である事にことに加えて、ハングルが発音記号だからです。本来の持っている能力―“耳”と日本語での“漢字語”の経験を活かすのが無駄のない「楽な覚え方」です。
耳と口で覚えよう!~頭で暗記しようとしない~
人が言葉を覚えた時は、耳できく→口でまねする→読む(耳できいた文字を目で字とあてはめる)→書くーの順で覚えました。
単語を覚える時もこの順で覚えます。
字は人が作ったツールにすぎず言葉を覚える生まれついた能力がある耳と口を意識して使って覚えていきます。よく聞いて、口でまねて繰り返し、”耳“と”口“で覚えましょう。字は発音と意味を確かめるための補助道具です。
単語単独ではなく、会話の中で覚える~主教材で~
私達が日本語を覚えた時に、周囲がよく使っている言葉をきいて自然と覚えてきました。
周囲が話していた会話は単語ひとつだけというケースは少ないです。感嘆した時に“きれい”“すごい”などということがありますが、それだけでは会話がつづきません。必ず主語(私)や助詞(は)述語(走る)など他の単語もついてくるし、動詞は過去形、仮定形などで変化します。
単語を覚えるときは、会話の中のひとつの文章で、他の単語もセットで覚えるのがたくさん、早く、覚える早道です。
動詞は目的語などとセットで覚える
動詞は動作によって目的語や主語の使い方が限られています。“車が飛ぶ”“車を食べる”という文はありありません。動詞は目的語や主語などとセットで覚えます。
例えば보다( boda )は見るですが、韓国では会う、受けるという意味でも使います。ですから、日本語でいう“人に会う”、“試験をうける”というようにセットで覚えます
✓日本語:人に会う→韓国語:사람을 보다( salam-eul boda)/直訳:人を見る
✓日本語:試験をうける→韓国語:시험을 보다(siheom-eul boda)/直訳:試験をみる
✓日本語:薬を飲む→韓国語 약을 먹다(yag-eul meogda)/直訳:薬を食べる
形容詞、副詞などの修飾語と名詞、動詞をセットで覚える
形容詞、副詞などの修飾語も次に来る名詞が限られてきます。 “可愛い山”“ハンサムな女性”とは言わないでしょう。修飾語も名詞、動詞とセットで覚えます。
✓日本語:美しい山→韓国語:아름다운 산(aleumdaun san)
✓日本語:かっこいい男性→韓国語:멋진 남자(meosjin namja)
動詞、形容詞など変化するものは会話の中で変化した形から覚える
私達は日本語を覚えた時に、最初に動詞などの基本形を覚えて次に変化形を覚えたのではありません。基本形とか変化形の意識すらありませんでした。
韓国語の単語を覚える時も最初に会話の中の変化した言葉を覚え、次に勉強していくなかで、基本形を確認すればよいのです。韓国語の変化の法則は英語や日本語より少ないので、後から覚えていっても問題はありません。
「내일 봐요 (naeil bwayo):明日会います」 という一文で覚えます。次に봐요(bwayo)は、 보다(boda)-見る の基本形が語尾요(yo)-です/ます がついたから 봐(bwa)に変化したのでだと確認する程度でいいです。
「어제 봤어요(eoje bwass-eoyo):昨日会いました」の文と合わせて覚えると、보다(boda)-見るの過去形+語尾요(yo)-です/ますで、過去形の言い方を学べます。
“明日会いました“”昨日会います“という文はないので、基本形の単語だけで覚えるのではなく、他の単語とセットで文ごと覚えたほうが正しい使い方を覚えられるのです。
このように単語セットで覚えるためには、1つの課が会話形式の主教材の本を選び、一つの課の会話を「きいて→口でまねて→字をみて」、単語の説明などで会話の意味を「確認→聞く、口で言う」を何度も繰り返す。という練習をするのがいいでしょう。
気になる単語やよくわからにところなどラインマーカーをひいたり、印をつけてもいいでしょう。
推測力をつける ~副教材で
会話形式の主教材がある程度進んで、主教材だけではおもしろくない。もっと好きな物で単語を覚えたい。と感じるようになったら、副教材として少々難しくても自分の関心のあるもの、例えば、好きなスターのサイトやドラマの紹介サイトの文章をみたり、歌をきいたりYouTubeなどの動画をみてみましょう。
1回読んだり、きいたりして、わからない単語があったとしても前後の文章から推測してみます。
自分の興味のあるものなので、推測は興味のないものよりも簡単にできます。推測してから辞書をひいたり、和訳をみたりして正しい意味を確認します。この繰り返しをしていくと推測力がついていき新しい単語が出てきたとしても、だんだん、全体の意味をとらえられるようになるでしょう。
和訳がなくてその教材を100%理解できてなくても心配はいりません。調べてもわからなかったものはほっておきます。だんだん単語力がついてくれば、ふと後で見返したときにわかってきます。
声にだして読む~副教材の文章で
推測力をつけるために選んだ副教材の文章を今度は声を出して何度もよみましょう。
ひとつひとつの単語の意味はわからなくても大丈夫です。目で読んだものを声を出して読むことで、目と口と耳が刺激され感覚が活発になり、頭の回転も速くなってきます。
歌を歌うのは、同じフレーズが何度も繰り返され、楽しく声をだして読む練習できるので、覚えるのに効果的なひとつの方法です。
単語を増やしていく~応用力をつける
主教材でも副教材でも新しい単語がひとつでてきたら、それに関連する単語、類似語、反対語なども調べてみましょう。
例えば、「배우(baeu)俳優」という単語がでてきたら「“女優/ 여배우/ yeobaeu」、「男優/ 남배우/ nambaeu 」「主人公/ 주인공/ju-ingong」「セリフ/대사/ daesa」を調べるようにします。
ほとんどの漢字の読み方はひとつだけですから、ひとつの漢字の読み方を覚えたら、その漢字を使っている他の熟語も調べましょう。
このように、1つ新しい単語がでてきたら、2つ、3つ、4つと他の単語も覚えていくことで、抜群に早く単語数を増やしていくことができます。
楽な気持ちで
単語を1回で覚える必要はありません。 覚えなければいけないと義務的に考えるとつらくてかえって覚えられません。
1回きいたり口にしたり、見たりしたものは頭の記憶装置に残っています。何回も耳や目にしたり口にしたりして、繰り返すと自然に覚えていきます。好きなものなら、何回繰り返しても楽しく自分の意思で調べた単語は忘れにくいです。
“忘れてもいつかは覚えられる”くらいの楽な気持ちで臨んだほうが、かえって早く単語を覚えられますよ:)
スマホは語学の勉強の仕方も変えた!~まったく変わった韓国語単語の覚え方~
スマホがなかった時代は、重い辞書を持参し辞書で調べた単語はノートに書いて単語帳を作ったり、暗記するために単語カードを作ったりしました。
ですが、スマホが一人一台持っている時代となって、語学の勉強も様変わりしました。スマホさえもっていれば、いつでもどこでも使えるので勉強できる時間が圧倒的に増えたのです。
スマホ時代の”書く“は”コンピューター入力“から
“書ける”は聞けて、言えて、読めるようになった後の最後の段階です。 韓国語能力試験(TOPIK)でも”書く“能力が問われるのは中級からです。
ところで、 ITの発達により“書く”動作がすっかり変わりました。
今、私達は日常生活で日本語をどのくらい手書きでかいているでしょうか?家族や友達への伝達手段がメールやSMSになって、手紙をかくことがほとんどなくなり、パソコンのキーボードや、携帯でコンピューター入力していることがほとんどになりました。
このように日常生活でコンピューター入力が多いのと、辞書をひいたり韓国語のサイトを調べたりするのに必要なので、“書く”のは手書きより先に、スマホとパソコンにハングルのキーボードを設定して、まずコンピューターの入力の仕方を覚えましょう。
コンピューターの入力ができれば、手書きも楽に覚えられます。ハングルの入力は母音・子音の間違った組み合わせは入力できないようになっているので、正しい組みあわせを覚える事もできます。
辞書を使おう!~いつでもどこでもすぐ調べられる~
スマホにハングルのキーボートを設定したら、韓日/日韓辞書のアプリをダウンロードします。
ふと疑問に思うことや知りたい単語があった時にスマホの辞書でその場ですぐ調べられます。すぐ調べられない時は、どこかにメモをとったり、スクリーンショットをとったりしてもいいでしょう。その日中に調べなければいけないとかルールを作るのではなく、気の向いた時にまとめて調べてもいいです。
アプリによっては検索履歴が残るし、お気に入りの登録もできるので、昔のようにわざわざ単語帳を作る必要は全くなくなりました。
ノートがわりに!
スマホのなかった時代には、勉強の内容を整理するのに自分のノートを作る人も少なくなかったでしょう。けれども、手書きのノートは検索に不便ですし、並びかえもできません。また、通勤・通学途中に筆記用具をだして、書くこともできません。
スマホだったら、電車の中でも自由に書くことができます。だいたいのスマホはメモやノートの機能が最初から設定されているので、スマホのメモ・ノート機能を利用して、調べたい単語や、辞書でたりないことの補足、気になることなどを書くとよいでしょう。
サイト・アプリ・YouTubeで楽しく覚える!~副教材として
スマホには、単語を覚えるサイト・ゲーム感覚で覚えるアプリ・動画が楽しいYouTubeが豊富にあります。会話体ではなく、単語だけのものが多いため、単語を増やす副教材として使いましょう。
下記の“Hello Korea”は、 日常生活でよく使う単語を動画でわかりやすく説明し、日本語がはいっておらず、 機械的にきいて繰り返せばいいサイトです!
↓ハングルの勉強法も詳しく
まとめ
単語を覚えるのに、何日の何時までに何個覚えなければいけないという拘束はありません。特定の日にTOPIC(韓国語能力試験)などの試験があったしても、その単語がでるかどうかは定かではないからです。
“単語を覚える”ではなく、“韓国語を楽しむ”という意識でいると耳で聞いたり、口で何度も言ったりしたものは、自然と覚えていきます。”楽しむ“と頭も活発に動き、回転が速くなり、早く覚えらます。
日本語で漢字を勉強したおかげで、漢字語の単語を増やすことも簡単にできます。スマホでいつでもどこでも24時間、単語をチェックでき、勉強するツールも整っています。“韓国語を楽しむ”能力・経験・環境は整っています。
いつでも!どこでも!たくさん! 韓国語を楽しんでいきましょう。